・はじめに
(2018.3/17更新 配当を加味して一部追記しました。)
どうも、久しぶりの米国株記事です。
タイトルですが、某人気本みたいなキャッチーなタイトルにしてみました。
当ブログの読者で覚えている方がいるか解りませんが、
半年くらい前(2017.9.8)にS&P500の高配当銘柄上位について、
配当利回りや配当持続性、上位企業の概要を記事にしました。
過去記事リンク:米国株 S&P500の高配当利回り上位30銘柄チェック(17.9.8時点)
上記の記事に出てきた銘柄群の半年間の検証記事になります。
主に
・高配当銘柄群は約半年間のリターンはS&P500平均に勝てたか?
・利益以上の配当(通称:タコ配)がリターンに影響を及ぼしたか?
を確認してみました。
約半年間の対象期間は2017.9.8~2018.3.15までの期間としておきます。
ちなみにトランプ相場もあって比較対象のS&P500インデックスの過去半年間の株価変動は+9.6%と出ました。
結構良い成績ですね。
この株価変動に対して勝ち負けがあったかを表にして比較してみました。
注:高配当銘柄群との比較なので、単純に株価変動比較だと配当利回り差分が不利ですが、細かいことは一旦置いておきましょう。
・S&P500高配当 vs S&P500平均の勝敗とリターンはどうだったか?
さて、結果を上記の表にしてみました。
表の中で集計結果や傾向を既に書いちゃってますが、一応コメントしていきます。
この表は昨年9月時点の配当上位銘柄について集計したもので、
今回半年間の株価変動と該当期間のS&P500平均との勝ち負けを右端にクリーム色で塗りつぶした箇所に追記しました。(字が小さいかな?)
・単純にリターン平均を比較、半年分の配当も加味して比較
単純にS&P500高配当群30銘柄の半年間の株価変動を合計し、
平均を求めますと+2.7%でした。
これはS&P500の平均リターン+9.6%に対して6.9%も負けてますね。
ちょっと待ってください、高配当銘柄群は配当が多くもらえるはずです。
公平を帰して配当を加味しましょう。
・S&P500の年間配当利回り 1.7%(etfのvooより抽出)
・上位30銘柄の年間配当利回り 5.1%(表中の値を平均)
対象期間は半年なので半分にしてそれぞれ0.8%,2.5%を配当分のリターンとして加味して、実質リターンを求める必要があります。
すると、
・S&P 500の半年実質リターンは +9.6+0.8 = 10.4%
・S&P 500の高配当30の半年実質リターンは +2.7+2.5 = 5.2%
リターンの差は 10.4% – 5.2%で計算し、5.2% まで縮まりました。
しかしながら、配当を加味してもS&P500インデックスの方がS&P500高配当銘柄群より良いリターンが得られたという結果になりました。
・配当持続性を加味した銘柄選別は影響があるか?
さて、平均ではS&P500平均の勝ちとなりました。
次に配当の持続性に注目して抽出した場合に結果に偏りがあるか見ていきます。
元々の表では
・配当性向が100%を超える(利益より配当金の方が大きい)もの
・自由になるお金(FCF)より多く配当を出しているもの
は持続性に難があるだろうということで、オレンジ色で分かるようにしています。
結果は表に既に書いていますが、上記の配当持続性に問題が有る銘柄群は全滅でした。
該当する17銘柄(表中b,c群)で平均リターンは-9.8%とマイナスリターンでした。
半年間の配当利回り差が1.7%ありますが、それでも埋められないマイナスです。
配当利回り差で結果が覆るのは10番目のマセリッヒだけです。
辛くも1勝といえば、1勝ですが。ホントに弱いですね。
逆に配当持続性に難が無い高配当の銘柄群は市場平均を上回る成績でした。
該当する銘柄は13銘柄(表中d群)で平均リターンは+19.8%と市場平均の倍近い好成績です。
特にシーゲート(STX)は+86%,メーシーズ(M)+33%,コールズ(KSS)+45%と、
当ブログでコメントした上位銘柄が上がってくれてちょっとうれしいですね。
高配当を貰いつつ、市場平均も超えるなんて最高ですね。
とはいえ、S&P500の平均でも+9.6%ですから、面倒な銘柄分析なんかせずにインデックス投資をして放ったらかしの方が楽っちゃ楽です。(元も子もない話ですが、基本怠けたいので)
あと、下落中の銘柄って安値待ちしているうちに一気に上がっていくので、妥協してちびちび買いを入れていくのは心理的な技術を要求されるので案外難しいものです。
そんなわけで、半年程度の超短期間のバックテストなので頼りないところですが、
健全な配当を行っていて売られすぎている高配当銘柄を複数買えばまずまず良い成績になる可能性が示唆されたのではなかろうか。
こういうのって見極め自体が後付の面があるし、
インデックスに負けた銘柄もそれなりにあるので、誤差の範囲?かもしれませんが。
ただ、高配当でも配当余力以上の配当を出している会社は買わないほうが良さそうです。
この点ははっきりした傾向になっていましたね。
こうなる要因としては、成長が止まって減益したものの配当は減らせないという経営判断をして、配当支払いによって成長のための新規投資が十分に行えないことがあるかもしれません。
あとは、集計した時期が利上げ懸念で不動産や公益セクターなどの負債比率が高い銘柄が売られたことが影響しているとは思います。
・終わりに
こういう「あの時買っとけば~」系の記事って意味はないかもしれませんが、
傾向を見て考えるのって楽しいかなと思って記事にしてみました。
基本的に集計が手作業なので1,2箇所くらいはデータの誤植があるかもしれません。(その場合はこっそり教えて下さい。。)
また米国株ネタもぼちぼち書いていくかもしれないので、ブログ村の米国株カテゴリにまた入ってみました。
面白いネタが思いついたら、また記事にします。
(元も子もない話ですが、基本怠けたいので)
このくだりがよろしいですねw
僕もまさに怠けモノなのでドル転の面倒くささも手伝って米個別株はほとんどやる気がありません、1557でS&P500全体に投資するだけにとどめてます。
タコ配企業といえばPMはいつか聞いた時からちょっと欲しかったんですが、やはり厳しい結果のようですね。