暇人なので、生きている今ってなんだろうな?と、
たまに哲学する者です。
自分の存在や世界のありように対して、あれこれ考えるときに、
その人の経験や社会の価値観が結構影響するので、
宗教やら哲学が生まれて、皆それぞれ思いたい形の世界観を持っているわけです。
まあ、宗教の原理に従わない他人を殺す過激派なんかがいて、
ちょっと困ったことになりがちですけど。
しかし、宗教の教義は大抵、死に対する恐怖が絡むので調整するのが大変難しいわけです。
神がいるかいないかという議論は難しいところです。
東アジア人(含む日本人)は仏教徒といいつつも、
現世利益(おもにお金と権力)をひたすら追い求めますから、
ある意味、復活を信じて宗教戦争までする西洋人やアラブ人から見て精神が強すぎだと思います。
日本人の価値観について世界との相対的な距離を知るには下記の本が面白い。
- 橘玲 (日本人)
リベラリズム、リバタリズム、キャピタリズムなどの政治思想なんかも、
分かりやすく解説されていて、世界の中の代表的な価値観の中で、
日本人の平均的な価値がどのあたりに位置するかが分かる。
昭和的な価値観だとウォルフレンの日本権力構造の謎なんかが面白いけど。
そもそも、科学の始まりは、神の及ぼす力の影響を調べる神学とつながりが深いわけで。。
で、私としては、宗教とかそういうのは抜きに、
論理の積み重ねや物理的な実験や観察結果を理解したうえで、
世界を俯瞰すべきかなと思っています。
ただ、科学者が書く本って凄く難しいので、読んでもちんぷんかんぷんになりがちです。
図書館で探す分に試し読みができるので良いんですけどね。
今回は普段読書をしない方で、科学で今わかっている事について知りたい方が、
割と読みやすく、情報量に優れ、ものの見方に影響を及ぼすほどの発見を
記している本について紹介しておきます。
夏休みに暇でしたら、こういった本を手にとってみたら、
世界の見方を変えてくれるかもしれません。(別に変わりたくないなら読まなきゃ良い)
- 利己的な遺伝子 リチャード・ドーキンス著
ダーウィンの進化論をベースに、生き物を遺伝子の入れ物としてみた場合に
いろいろな事象につじつまが合うというところを検証していく話。
これも動物や自分を含めた人間の観察を深いものにしてくれる一冊。
恋愛感情とかでテンション上がるのは、遺伝子の命令であり、ほどほどに楽しむ程度で良いかなあと思わせてくれた。
生き物を考える原点となりうる作品。
この本を読めばそこらへんに居る虫なんかの生き物に対する見方を新鮮なものにしてくれる。なんで、こんな形で進化して生き残っているんだろうなと。
ディスカバリーチャンネルとか好きな人は読んでおいて損はないかと。
注意点としては、自分が遺伝子の入れ物であることに絶望して自殺した人が居たとかで、
価値観を揺さぶられたくない人は読まないほうがよい。
実際読んだ後、数日は私も引きずりましたしね。
気に入ったら他の遺伝子関連本も読めば良いかと。
- ホーキング、宇宙と人間を語る スティーヴン・ホーキング著
あの有名なホーキング博士が一般向けに宇宙とこの世界を支配している時間や
物理法則についてわかりやすく解説してくれている。図や写真も結構ある。
ベストセラーだった”ホーキング、宇宙を語る”は難しすぎて挫折したが、
この本は読める。
高校物理で結構挫折した自分も、なんとなく分かった気にさせてくれる。
量子力学って面白いんですね、観察者が居るかどうかで量子の動作結果が変わるというのが特に面白い。
読んだ後に自分や生き物の存在の儚さに不安と感動を覚えるほどの情報量と説得力がある。
第一線の学者が一般向けに宇宙の話をわかりやすく書いてくれていてお勧め。
- 注意書き
知らぬが仏ということもありますから、
詳しく知りたくないことは知らずにいたほうが幸せなのかもしれません。
たとえば、半年後死ぬなら教えてくれたほうが良いか、教えてくれないほうが良いか、という話になると、どちらが良いか判断が難しいところですからね。