心配性と絶望名人カフカ

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心配性

まばらな交通量で、車が10秒に一度くらい通り過ぎる道路で
安全を見越して余裕を持って道路をわたろうと男は注意深く待っていた
しかしなかなか車が途切れない
車が通り過ぎて、やっと行けそうになるが遠くに車の陰が見えてあわてて引き返す
今いけたんじゃないか?
後でそう思ってみても、つい安全を見て待ってしまう
もし途中で転んだら轢かれてしまうじゃないか
こんなしょうもないところで大怪我や死んだりは馬鹿らしい
私には輝かしい人生が待っているんだ!
もう少し待とう
確実に行こう
待てばいいタイミングが来るはずだ

・・・

そんなことを繰り返していくうち、渡りきる前に男は老人になっていた!
おかしい、おかしい、とつぶやくも自らの手にはよぼよぼの皺だらけ


割と好きなフランツ・カフカをイメージして寓話風に書いてみました。

うちの前の道路がこんな感じなので、思いついたのです。

心配事に置き換えて、心配事が無くなるのを待っていたら・・・という意図ですが、わかりにくいかな。。

現状を変えたい、、、そういうときに立ちはだかるのは心配癖なんですけど、無鉄砲すぎるのも考え物でバランスが大事です。

一時期メンタルが弱っている時は心配や不安が強くて、ちょっとした不調でも「これは病気ですぐに死ぬんじゃないか」と考えたりとか、飛行機なんかも怖くて乗る気になれませんでした。
今も飛行機は離着陸が苦手かなあ。

登るときの斜めのGがかかるときの内蔵に響くような気持ち悪さったら無いですよね。

心配症過ぎるのも疲れますが、心配や不安に付け込んで強い言葉で誘導しようとするビジネスは嫌なものです。

弱っている時には安心できそうな強い言葉にフラりと寄りかかりたくなるのかもしれません。

本屋に行くと平積みされているのが偉そうな「~しなさい」といった断言系の本が結構目に付いて、人はそんなに上から断言されたいものなのかな?と考えたりします。

私も不安感にはたまに襲われますが、最近は「生きてるだけで奇跡的な状態」なのかなと思って、細かいことは考えすぎないようにしています。

図太くなったんでしょう。たぶん。

もしくは不安がることすら怠けたいのかもしれません。

久々にカフカ関連の本を読んでみた

さて、カフカを思い出しついでに、絶望名人カフカの人生論という本を買ってみました。

読んでみて、うまいこと言うなあという一節を引用します。

25 自分を信じて磨かない

幸福になるための、完璧な方法が一つだけある。

それは、自己の中にある確固たるものを信じ、

しかもそれを磨くための努力をしないことである。

これは、”俺はまだ本気出してないだけ”というダメ人間にありがちな考えですね。

21 やる気がすぐに失せてしまう

神経質の雨が

いつもぼくの上に降り注いでいます。

今ぼくがしようと思っていることを、

少し後には、

ぼくはもうしようとは思わなくなっているのです

さあやるぞ~と思っても、やっぱり面倒くさいからや~めたということが多い自分に絶望しているという話ですね。

55 愛せても、暮らせない

誰でも、ありのままの相手を愛することはできる。

しかし、ありのままの相手と一緒に生活することはできない。

カフカは婚約して婚約解消を何度か繰り返しています。

悩みすぎて踏み切れない心配性体質だったことがわかります。

一緒に暮らしてみたらちょっと違ったということになると色々後戻りが難しい時代背景だったのかもしれません。

結構内面の動きについて書かれているので、カフカに興味があって絶望に浸りたい人は読んでみるのも良いかもしれません。(そんな人いないか)

作家さんの日記って特に物語を求めない人にはエッセーみたいで作品より面白いかもしれません。

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